Bee's Favorite

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映画「王になった男」

【みどころ】
■韓国では、1200万人を超える興行成績を残す。
イ・ビョンホンは、卑しい身分の男と王(あまり上品ではない王)を演じ分け、秀逸。
■衣装や調度の色合いが淡くて上品。当時の自然の染料の感じが良く出ていました。


2013年1月29日、韓国映画「王になった男」のプレミア上映会に行ってきました。
ドラマと違って韓国映画はクセがあるので、誰にでもお勧めできるというわけではありません。
何とも描写がリアルすぎるというか、笑いのツボも微妙に違うし、
なんか最後は教訓をのこそうという魂胆が見え見えで。

特に史劇は映画だと背景の説明が短く、歴史的なことを多少なりとも知らないと、
ピンとこないこともあって、なかなかとっつきにくい。

「王になった男」は朝鮮王朝15代国王、暴君といわれた光海君(ファンヘグン)の時代の話です。
この時代の王の日常を書き留めた日誌に15日間の空白が実在し、
その15日に何が起こったのかを想像して描いたフィクションです。

政権争いが激しいなか、王が身を隠して不在となり、
王にそっくりの身分の低い男(ハソン)が王の身代わりにされてしまいます。
わずかな側近だけを味方に、いきなり王の暮らしを強要され、
重臣や王妃を騙さなければならない男の戸惑いから、
やがて自分が民として体験してきた悪政を正していこうとする姿、
一人の人間として通さなけらばならない正義を見せました。
王家に生まれた光海君よりも、ハソンのほうがもともと王にふさわしかったというよりは、
「人の上に立つ地位」が、それにふさわしいように人を変えていくのだと思いました。

日本でウケるのかなあ?この映画、と思いつつも。
たぶん男性に受けなかったらヒットしないとは思います。

もし映画館でご覧になるのでしたら、
画面が非常に暗いので(時代に合わせてろうそくの灯だけみたいな夜のシーンが多いです)、
遠目で全体が見渡せる位置で見たほうが、目が痛くならないです。
私は前から3列目のチケットが当たってしまい、
舞台挨拶に出てきたイ・ビョンホンさんのお顔はすご~くよく見えたのですが、映画はつらかったです。

私がイ・ビョンホンファンだから言うわけですが、
彼の出た映画がイマイチだったことはあっても、
彼の演技がダサかったことは一度もありません。

youtu.be

日本での公開中は、結局5回見ました。
最初はイ・ビョンホン中心に見ましたが、
次は重臣のホ・ギュン(リュ・スンリョン)の細かいところを見たり、
お毒見役のサウォル(シム・ウンギョン)や王妃(ハン・ヒョジュ)とハソン/光海君との関係に注目したり、
そのたびに新しい発見がありました。
何度見ても、最後にハソンと光海君が入れ替わるところは見事だと思います。