Bee's Favorite

映画、絵画展、コンサート、本、日々の感想。

小説「太陽を抱く月」

(読んだのは2012年)

面白い本に出会うのは本当にラッキーなことだけれど、
面白いがために、すぐ読み終わってしまうのが何とも言えず残念というか。
もうちょっとこの至福の時間を過ごさせてほしい、とよく思います。


ここ3日ほど「太陽を抱く月」という韓国の時代小説にはまっていました。
韓国は武家社会じゃなくて文人の国、良い家柄で四書五経をよく修めたものが国をつかさどる国なので、
戦いは剣ではなく「会話」と「問答」です。
それも率直ではなく儒教の序列にのっとり、回りくどく屁理屈を並べ立てたことばの連続。
その裏の読み合いに引き込まれます。

難しい漢字が多くて目が疲れました。
これを表音文字のハングルで読むのは、意味をつかむのが大変だろうなあと思いながら。
余談ですが、最近の韓国の大学生は漢字を読めないので、昔の文献を読むのに苦労するらしいです。

「太陽」は王、「月」は王妃を意味していて、
王様と王妃様の初恋がベースの物語なんですが、
宮廷の陰謀とか政治を左右する占いとか天文、身分の低い者たちの心まで描かれて面白い1冊(上下だから2冊!)でした。

この小説は韓国でドラマ化されてヒットしますが、小説のほうが面白かったかな。